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「炎の人」7/19

シアターBRAVA!にて、「炎の人」を観てきました。

読売演劇大賞の上半期数部門でノミネートされているこの作品、評価がなかなか高いようなので楽しみにしていざ劇場へ。かつて通いなれた劇場は、ミュージカルを観るには最適だけれど、芝居にはちょっとでかい。こじんまりした劇場がもっと欲しい。

ゴッホという画家の名前は、ひまわりが有名なのでその名前は知っていても、その人生には全く興味もなく、知識もなく、ただ、市村さんが出るからという理由だけでの観劇。

以下、この戯曲が彼の半生だと勝手に思い込んでの雑感想。

舞台の上には、絵画を飾る額縁を模したと思われる装置が。その中で、盆を使っての場面転換。炭鉱の暗い世界から、パりの絵画店、アルルの明るい世界、そして最後の真っ白い精神病院の世界までが表現される。

2幕冒頭では、ゴッホの描いた作品を舞台全体のスクリーンに映し出し、ゴッホ=市村さんのナレーションが。それは、全て、テオに宛てた手紙。“テオよ…”という出だしで始まる。アルルでの生活の様子、ゴーガンが来てくれた喜び、、、心の声と叫びが様々な声色で表現され、同時に映し出される絵画を視覚にとらえることで、ゴッホの心境と絵画の世界がつながっていく気がした。

芸術家というもの、死んでからの方が評価があがるのは、昔からそうらしい。ゴッホも、その才能は認めるものはいるものの、万人にではなくほんの一握り、それが、彼を狂気に走らせたのもあるかもしれない。

ゴッホを演じる市村正親さん。自らも筆を持ち、その世界に“はまり”ながらこの役にのぞまれたというからか、ゴッホの自画像から抜け出たかのような表情を見せる時もしばしば。役者というもの、当たり前かもしれないが、その集中力はすさまじい。いたずらっぽいお茶目さはカテコでしか見せず、常に彼のゴッホに見えるのは、“孤独”。決して重いばかりではないけれど、常に心の中に孤独が見える。何におびえているのか、何に追われているのか、何が彼にそうさせるのか、本当のことは判らないけれど。

冒頭、炭鉱夫たちへの献身的な姿とその情熱が空回りしてしまった落胆ぶりに、彼の強い“性格”と結末がすでに見え隠れしている。

宣教師の任を解かれながらも、老婆に請われ死者への祈りを捧げる。しかしいつしか、老婆の祈りの姿を菓子の包み紙に一心に描き出す様子から、その彼の先を予見させる。

その後の彼が関る全ての人、シィヌ、ラシェル、テオ、ゴーガン、それぞれへの愛は異常とも見える。もちろん絵画への情熱、そして狂気。全ては、ゴッホが真っ白で正直な心の持ち主だったからではないだろうか。

ゴーガンを演じた益岡徹さん。繊細というより、豪快にみえるゴーガンをその体格の良さと同じく好演していらした。ゴッホの才能を認め、彼からの友情=愛を受け止めるかのようでいて、突き放す。ゴッホへの嫉妬が見える。もちろん、同じようにゴッホはゴーガンへの嫉妬があったのだろう、だから共同生活はうまくいかない。

ゴッホへ対して、テオとは違った方法で理解を示しながら、それでいて、距離をおく。近づきすぎず、離れすぎず、微妙な距離感を感じさせるゴーガン=益岡さん。いい相手役だったと思う。

ゴッホの弟、テオを演じた今井朋彦さん。テオは、一心に兄の才能を信じ、自分の店で兄の絵画を売ろうとせんが為に、兄へ献身的な助力を続ける。盲目的に兄を信じる姿は、ともすれば白々しく見えるのに、今井さんの熱演はそれを感じさせない。

そしてゴーガンたちへも心の救済を求める姿は、どこか痛々しい。兄とは離れて育ったとはいえ、我が身を削り、そこまで兄を崇拝する精神はどこから生まれてきたのだろう。最期まで兄を見捨てなかったテオの姿を見ていると、ゴッホの才能を認めなかった当時の世間が憎く感じられる。

ゴッホの愛した二人の女性は、全くタイプの違う女性、とされているけれど、どこか似ている気がしないでもない。どちらも、幸薄い。

春をひさぐ事で生活をし、周囲からの自分への評価をも知りつつ、身と心を持ち崩すシィヌ。アルルの踊り子、ラシェルだって、その奔放な性格の裏側には貧しさが。自分と似た境遇と心の寂しさで、同情から愛情へと移行したんだろう。この女性2役を演じた荻野目慶子さんは、華奢な体のどこから出てくるんだろうという力強さと、儚さを持ち合わせ、ゴッホとある意味火花を散らす芝居を見せてらした。

炭鉱でのまとめ役と、アルルの郵便配達人という、物語の最初と最後にしか登場されない、中嶋しゅうさん。その落ちついた語り口と存在感は、主役が同じ場にいるのも忘れさせるほど。その“語り”があまりにも現代にはまり、あまりにも心にしみ、涙が出た。

舞台センターで、耳を切ったゴッホが包帯姿でキャンバスに向かっている。そして、唐突ともいえる展開で、下手に立った配達人が、詩を朗読しはじめる。

ヴィンセントよ、貧しい貧しい心のヴィンセントよ、
今ここに、あなたが来たい来たいと言っていた日本で
同じように貧しい心を持った日本人が
あなたに、ささやかな花束をささげる。
飛んで来て取れ

あらすじ

ベルギーの炭坑町で宣教師を志したヴィンセント・ヴァン・ゴッホだが、並はずれた献身ゆえに解雇され、放浪の果てに生きる道を絵画に求める。
 オランダの首都ハーグに移り住んだヴィンセントは弟テオからの僅かな送金を頼りに修行を始め、やがて酒場で知り合った哀れな貧しいモデル、シィヌと同棲する。世間の嘲笑を浴びながら身重のシーンをモデルに売れない画を描き暮らすヴィンセントに画業の師でもある従兄のモーヴは絶縁を告げ、シィヌもまた去っていく。悲嘆に暮れるヴィンセントの心を慰め、力づけてくれるのは弟のテオだけだった。
 孤独なヴィンセントは花の都パリに向かう。若い印象派の画家たちの色彩の新鮮さに刺激され、タンギーの店で、ロートレックやシニャック、ベルナールやゴーガンらと画論をたたかわせる。ゴーガンの才能はヴィンセントにとって憧れであると同時に憎しみすら覚えるものであった。ただひとり独自の技法と世界を追い求め、憑かれたように絵を描きつづけるうちに、肉体と神経はみるみるすり減っていくゴッホ。
 パリの喧騒を逃れヴィンセントは、アルルの明るい陽光の中、ついに待ち望んだゴーガンとの共同生活が始まる。美しい田園風景と妖精のような踊り子ラシェルのやさしさに癒されるヴィンセント。テオのために、と変わらない飢えの中で描き続けるヴィンセント。彼の真の才能を理解していたのはゴーガンだけだったが、強烈な二つの個性は激しくぶつかり合うことになる。そして、ヴィンセントに狂気の発作が起こる・・・・。

キャスト

市村正親/益岡徹、荻野目慶子/原康義、さとうこうじ、渚あき、斉藤直樹、荒木健太朗(Studio Life)、野口俊丞、保可南/中嶋しゅう、大鷹明良/今井朋彦、銀粉蝶

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